水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

前山ダム(香川県さぬき)

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インレット側から見た前山ダム湖(2018年12月撮影)

1983年、中学二年生。水辺遍路の一番札所?

中学二年。深夜二時に釣り竿とともに自転車で家を出発し、単独行をしました。深夜に一人で家を出るということ自体が初体験。
住んでいた海側の町から山側の未知の領域への冒険でした。
家の周辺にため池は多かったのですが、ダム湖での釣りというのは憧憬の世界。国土地理院の二万五千分の一地図を手に片手に、夜明けとともにたどり着いたのが前山ダム。当時、香川ではまだセレブ感のあったブラックバスが生息、夜っぴいて巨べらを狙う人もいるという話でした。
私の中では夜光ジッターバグで人生初のブラックバスが釣れた場所ということになっていますが、これはのちに何度か訪れたときの記憶と混線した思い違いかもしれません。学生になってオートバイに乗るようになってから、また四輪免許をとったときも前山ダムを訪れました。個人的には聖地のようなものなのかもしれません。
湖岸には遊歩道やスロープ、公園が整備され、さらに道の駅までできた今の景観からは、昔のものさびしい雰囲気は薄れました。ただ、あのとき、黎明の山影に黒く沈んだ湖から立ちのぼってきた湿った朝気の匂いは、35年以上たった今なお手に取るように思い出すことができます。

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デッキの様子
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道路側から
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スロープ
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マークした場所は道の駅。