水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

当麻ダム(北海道旭川)

とうまだむ。
f:id:cippillo:20171121195313j:plain

当麻べらを追いつづける熱き釣り師たち。

国営事業としてアースダムが建設され、一大穀倉地帯である旭川の農地を潤して半世紀。2015年から洪水吐まわりを中心とした改修工事が行われ、訪れたときも堰体の防災対策工事が行われていた。近年、北海道でも多発するようになった台風通過や豪雨へのそなえであろう。
工事発注者は農水省ではなく国交省。北海道では国交省の中の北海道開発局という組織が農業用ダムも管理しているためである。
北海道の農業用ダムはシーズンオフに水を抜いてしまうところが多いが、当麻ダムでは減水状態にはあったものの魚類が生息できるぐらいの水は残っていた。

f:id:cippillo:20171121195311j:plainf:id:cippillo:20171121195310j:plainf:id:cippillo:20171121195309j:plain

なんといってもこのダム湖は、1980年代に300km以上も離れた道南の大沼から移流したへらぶながしっかりと根づき、旭川の釣り師たちを惹きつけているというのである。
そんな「当麻べら」を追う熱狂的な釣り師の姿を見てみたいものだと長く思っていたが、その姿は驚くべきところにあった。
湖中に浮かぶ小さな島。よく見ると島ではなく、ダム湖の底にある道路跡のようだ。
ジャミは尺ウグイ。そのへんの小ベラよりは引くという。秋からは鯉師も入る。
当麻ダムのへらぶな釣り師のあくなき熱意が水平展開するのに対して、垂直展開する熱意は埼玉県松伏の逆川で見た。

bunbun.hatenablog.com


名前の似た水辺として、奈良県に当麻池と名付けられたへらぶな管理釣り場がある。麓にある名刹・当麻寺にちなむが、さて北海道の当麻ダムも何か関連があるのだろうか。ただ、字は同じだが読みは奈良が「たいま」であるのに対してこちら旭川のは「とうま」である。

f:id:cippillo:20171121195312j:plain

bunbun.hatenablog.com