水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

天王寺沼(福島県福島)

天王寺の池。
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穴場温泉の奥の丘に、穴場感のある池。

福島市街地の北はずれの山麓にある飯坂温泉。福島駅から全長10kmに満たないローカル線の終点である飯坂温泉駅や、鯖湖湯という名前の素敵な共同湯もある旅情豊かな温泉街。
福島市街地の辺縁部という立地からか、あまり観光化していないところに何ともいえぬ穴場感があり、学生時代に新聞配達のおじさんから飯坂温泉でいい思いをしたという艶っぽい話を聞いていたので、青年の心に憧憬の地として刻まれたせいもあるのか、何となく好きな土地である。
小さな温泉街を抜けてクルマで丘をのぼっていくと「丘の上の浄水場」ことすりかみ浄水場があり、その隣になんともひかえめに天王寺沼がたたずんでいる。
2016年春には、へらぶな釣りの固定釣り台もあり、尺足らずぐらいのへらぶなが浮いていたこともあり、いつか釣りをしてみたいと思っていた。

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2017年初夏に実釣調査を行ったが、3時間では結果が出せず。さわり、泡づけ、数度の消し込み・・それでも魚の顔を見ることはできなかった。もうちょっと粘ってみたかったが、釣り人が増えてきたので竿を納めた。

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もしや、これはダム穴ではないのか?

池の雰囲気がいいものだから初回に訪れたときは見落としていたが、岸から少し離れて設けられている取水設備は、よく見るとダム穴(ダムホール、グローリーホールとも)ではないか。

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穴の上に取水弁調節ハンドルの操作場として鉄製手すり付きの円形のコンクリートの足場が設けられ、ちょっと浮いた蓋のようなかっこうになっていて、よく見えなかったが、穴は六角形のようだ。

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上のコンクリート蓋で穴としての虚無感がかなりスポイルされているが、けっこうな大きさがありそう。しかもヘキサゴンなダム穴。
穴のまわりに防護柵はない。増水時にはごうごうと水が吸い込まれていく様子が見られるのだろうか。そんな日に誤って落水してしまう釣り人なんかがいたら・・と想像すると、あまりに怖ろしいダム穴。ヘキサゴンなダム穴。

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池の隣には、丘の上の浄水場。
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池の周囲には遊歩道も。
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<写真アーカイブ>
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