水辺遍路

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滝ノ入池(愛知県新城)


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新城の水辺では、もっとも味わいのある野池。

滝ノ入池は明治時代に築造を開始し大正になって完成したというから、溜め池としてはそれほど古いというわけではない。新城をはじめとする東三河の農地化を明治期に躍進させた豊川用水ネットワークとの関係が深い。
池ができて120周年となる2013年から2015年にかけて「新城市めざせ明日のまちづくり事業」の一環として、滝ノ入池周回道路が整備されて池を一周できるようになり、丸太ベンチや案内板、未舗装ながら公認駐車スペース3ヶ所が用意されるなど、新たに親水機能が加味されたのは喜ばしい。

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滝ノ入池の遊歩道の一部として整備された林道。

とはいっても都市公園で見られるような親水公園化ではなく、池のまわりで廃道化していた林道を再整備した程度で、遊歩道というほどの遊歩道でもなく、舗装駐車場や多目的トイレがあるわけでもない。素朴で昔の味わいが色濃く残っている。
大動脈の東名高速道が堰体下側を通り、山側には高圧線が視界にうるさく、閑静というわけにはいかないものの、池では野鯉が気持ちよさそうに回遊し、のどかな雰囲気である。

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鯉の魚影と浮き草。夏場は水草が繁茂して違った池の顔を見せてくれそうだ。


クルマでのアプローチでは少々、難がある。
国道301号から池に至る枝道に入るにあたり、西側の未舗装路と東側の簡易舗装路の二本がある。いずれも豊川用水を渡り高速道をくぐる。
未舗装道の方は堰体脇にダイレクトに出るので楽といえば楽だが、先行者がいれば駐車スペースに苦労するばかりか、へたをすればバックで戻るしかない。一方、西側の舗装路の方は公設駐車スペースまで舗装されてはいるが、駐車できるのは二台がやっと。その先は離合困難なダート路になる。また、池が見えるところまで500mほど歩くことになる。
多人数がゆったりくつろぐにはややスペース不足といった感は否めないものの、変に公園化されていない分、人は少なく素朴な情緒があり、新城の水辺といえば誰もがまず挙げる鳳来湖にもけっして負けぬ魅力があると思う。

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取水設備と洪水吐


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未舗装アプローチ路から堰体をのぞむ。フェンスの向こうが滝ノ入池。


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滝ノ入池の案内板
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たおやかな山なみと、池を取り囲む木々。


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滝ノ入池の周辺。下に奥の池、右手に見えるのは西宇利池。


マークした場所は舗装路でアプローチできる駐車スペース。

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