水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

島地川ダム(山口県周南)

しまじがわだむ。高瀬湖。
f:id:cippillo:20180704103213j:plain

f:id:cippillo:20180704103211j:plainf:id:cippillo:20180704103212j:plainf:id:cippillo:20180704103210j:plain
高瀬湖をパノラマっぽく撮影。

それは例えるならフライパンだけでつくる世界初のタコ焼き?(RCD工法)

国交省管理の多目的ダム。重力式コンクリートダムはシンプルな自然越流型で、可動式ゲートを持たないため、平常時には堰体の真ん中に穿たれた縦長スリットから湖水が流れ出る姿がよく見られる。
高瀬湖と名付けられた貯水池は現地の案内板によるとブラウントラウト、ニジマスなどが生息しており、ブラックバス、ブルーギルは生息していないとのこと。また近年はアマゴの降海型であるサツキマス釣りも好調のようだ。
インレット側にダム公園を兼ねた無料キャンプ場があるので、カヤックやボートを降ろすことも可能だが、ダム湖には間仕切りのように複数の網場(あば)が設置されているため、ぐるりと一回で湖めぐりをするのは難しい。

f:id:cippillo:20180704103220j:plainf:id:cippillo:20180704103217j:plainf:id:cippillo:20180704103221j:plain

島地川ダムは管理所の水位管理システム画面に、頼まれてもいないのに初めて手描きのダムイラストを潜りこませたことで個人的には思い出深い。しかしこのダムが日本で生まれ、今や大型ダムの主流となっている建設手法(RCD工法)を世界で初めて採り入れたということまでは知らなかった。
従来のコンクリートダム建設では、現場でコンクリートを練り混ぜて大型クレーンを使って流し込む専門性の高い工法が主体だった。それをRCD工法では、別の場所で調合した超カタ練りのコンクリートをダンプで現場に運び、ブルドーザーやロードローラーといった汎用的な重機主体で大型ダムを造ってしまうのだ。
いってみれば、超カタ練りの特殊な小麦粉をあらかじめ丸く成形した状態にしておくことで、タコ焼きプレートといった専用工具や技術を要することなく、家庭のフライパンだけでプロなみのタコ焼きができてしまうような・・というのは、ちょっと例が卑近すぎただろうか。

f:id:cippillo:20180704103219j:plainf:id:cippillo:20180704103218j:plainf:id:cippillo:20180704103215j:plain
駐車場と案内板


f:id:cippillo:20180704103216j:plainf:id:cippillo:20180704103214j:plain
天端はクルマも通行できる。


マークした場所は管理所の駐車場。