水辺遍路

実踏・日本の湖沼 6,400湖

馬場池(香川県高松)

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1980年代まで、ここには民家にはさまれて馬場池という池があった。ハスが水面を覆い尽くし、わずかに水面がのぞいているところにはモンスターライギョが頭を出し、あのこぽっという呼吸音が響く。
ハスのあいだにフロッグを落とせば、容易にモンスタークラスが食ってきた。とはいっても引き上げるのは容易ではなく、最終的にはバラしてばかり。取り込み寸前のひと暴れでバラした大物の黒々とした魚体は今でも目に焼き付いている。悔しいというより、ほっとしていた。びっくりするほどの頭部の大きさ。フックはずしのペンチを忘れていたので、どうしようと頭はそればかり。
歩いてすぐの屋島中学校に通う釣り好きにとっては放課後のちょっとした時間で行けるスポットだった。バンタム、マグサーボ、ストレーン、ハリソンスーパーフロッグ・・懐かしく、憧れの道具たちも。中学生にはあまりにもまぶしかった。30年以上前の話である。

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奥に見えるのが屋島中学。

その後、引っ越して関東に移ったが、大学生になりオートバイに乗るようになって、ひさしぶりの思い出の地に戻ってみると、池はなくなって更地になっていた。
新婚旅行でもオートバイで訪れた。娘が中学を卒業するときや、死んだオートバイ仲間の墓参の帰りになど、何度もここを訪れたが、ついに跡地さえも分からなくなってしまった。
2018年、本気で痕跡を探そうと雨の中、歩いてみた。屋島ケーブルカーはすでに廃線となり、駅舎と車両はかなりの廃墟感が漂う。
屋島に一直線にすっと線を引いたような軌道を、ケーブルカーがまんなかあたりですれ違うのをよく見ていたのに、軌道も遠からぬうちに木々に埋もれてしまいそうだ。

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屋島ケーブルカー

歩行者しか通れない狭い路地に入ると、民家の裏手に小さなくぼ地を見つけた。横に水路が流れている。今はくぼ地をバイパスさせているが、水を流し込んだとしたらここが馬場池であったと考えておかしくない。
「ババイケ」という名前も中学校の誰かから聞いただけなので、記憶が正しかったとしてもそもそもそういう名前の池だったのか定かではない。
空き地のかたわらに、小さな看板を見つけた。「新馬場」の文字があった。
ただ記憶では池は道に面していた。場所の記憶の方が間違っているのかもしれない。100mほど南西にも池がある。

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