青春小説の重要シーンの舞台となり、本のタイトルが池の愛称に。
本郷にある東京大学構内で憩いの場となっている池で、江戸時代初期に加賀藩主前田家の江戸邸内に泉水式の庭園池として築造され、本来の名は「育徳園心字池」である。
大学敷地内のくぼ地にあり、石段と階段で下った先に、木々に囲まれてたたずんでいる。水鳥の他、錦鯉が泳ぐ。
東京大は文系理系問わず、1、2年生は全員が渋谷区の駒場キャンパスで教養学部生としてすごし、3年になるときに学部に振り分けられ、初めてここ本郷キャンパスに移るスタイルが長くとられている。
駒場キャンパスには「一二郎池」と呼ばれる池があるので、本郷の三四郎池と対で「一二年生の池」「三四年生の池」という程度の意味かと思っていたが、現地の案内板によると夏目漱石の小説『三四郎』に由来するそうである。
確かに、主人公である小川三四郎がこの池のほとりで見そめたヒロインに一目惚れする重要シーンがある。
一二郎池も三四郎池もともに池の周囲に遊歩道をもつが、マニアックな一二郎池に対して、三四郎池はむしろ観光地といっていいぐらいで、池畔に降り立つのは学生より一般の方が多い。
大学の門は広く開かれており、地元のおじさんおばさんも通り抜ける。
案内板もあり、自由に散策できるオープンな雰囲気なので、学食や生協の売店に立ち寄ってみるのもおもしろい。
- 作者: 夏目漱石
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