水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

三味池(兵庫県南あわじ)

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池には表情もあり魚影もあるのだが・・

2500ある南あわじ野池群のひとつ。
2018年現在、Googleマップでは「さんま谷池」と記載されているが、知る限り「さんま」の名がついた池は会ったことがない。現地に立っていた淡路島共通の池名標識には「三味池」(さんまいけ)と記されていたのでGoogle側の誤記であろうかとも思ったが、南あわじ市が出していた地番の資料の中に「さんま谷池」という表記もあったので、地名としては「さんま谷池」で池名は「三味池」というところであろうか。
ただ「三味」(しゃみ)「三昧」(さんまい)の簡易表記ではないかと想像する。類名がないか調べてみると大阪府貝塚市に三味奥池という名が見つかった。これも「さんまおくいけ」と読む。
三昧(さんまい)は、雑念を払って没入することで見えてくる無我の境地というような意味の仏教用語で、何かを予感させるような池名とあわせて、航空写真でみると、まるでクリップのように強く屈曲した堰体の形状もめずらしく、見てみたい池であった。
果たして現地で目を惹いたのは、堤の上にそびえる二基のピラミッド。お地蔵さんと墓石でできている。最初は石屋が資材置き場にしているのかと思ったが、それにしては異様な迫力がある。立っていた警告看板は釣り禁止や立入禁止などといったものではなく、遺骨の無断投棄をしないようにというものであった。無縁墓地だった。
池は表情も豊かで魚の気配がそこかしこに出ていたが、屈曲堰体を歩いてみるという当初の目的も忘れ、ただただ足早に立ち去ることにした。

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