水辺遍路

実踏・日本の湖沼 6,850湖

ひょうたん池(新潟県佐渡)

赤玉杉池。

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一帯の景観の主峰たる風格をそなえた池だけに、これをめあての「杉池」と思ってしまう人が多い。ただ、全面的な肯定もできないが間違いとも言えない。

かの杉池かと思いきや、天然湖かと思いきや。

ひょうたんの形をしているので、ひょうたん池。
ひょうたん池という名は全国で見られるが、正式名とは別の愛称であるケースが多い。ここ小佐渡のひょうたん池はもっとややこしい。
峠近くの山の霊気に包まれた滋味豊かなこの池を訪れたビジターは、これがめざすところの赤玉の杉池と信じて疑わないだろう。池畔のベンチとテーブル、岸を伝う遊歩道、水面にゆっくり波を引いて弧を描く野鯉・・園内の主役を張ってきたような威厳と風格がある。

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だから案内板に記されている「ひょうたん池」の名を見ても、別名か愛称なのだろうとタカをくくり、地図の片隅に、ひょうたん池とは別に小さく「杉池」という池が記載されていることを見逃していた。
佐渡観光協会公式サイトでは、「杉池」の解説として、(杉池は)杉池とひょうたん池の二つの池からなる、としている。なるほど、ここを杉池と思ってしまっても、広義の杉池という意味では、あながち間違いではないようだ。

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堰体側から見たひょうたん池。

天然沼沢のオリジナル杉池が杉池大明神の林の中にあり、数百年も昔から赤玉集落の水源として利用され、また、水神が祀られ尊崇を集めてきた。
いつの時代か分からないが、オリジナル杉池は湧水の水たまりのような感じで貯水量が見込めないので、下側に堰体を築き溜め池として造成されたのが、ひょうたん池ということらしい。
確かに、ひょうたん池の北東岸は直線的な盛り土の堰体構造が見てとれる。自然護岸が多いものの、堰体部とひょうたんのくびれの部分にはコンクリート補強がなされている。

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奥に見えるのが堰体部のコンクリート護岸。
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池のくびれ部分。公園側にコンクリート補強。すべり止めなのか、少し変わった施工。

堤の上を奥まで歩くと50mほどの木道が渡されている。行った先は赤玉池というもうひとつの貯水池である。そちらの池もオリジナル杉池を直接の水源としていて、ひょうたん池の配下にはない。湖面高はむしろ赤玉池の方が上にあるようにも見え、両池は流下先の水路でつながる対等な関係にあるようだ。
赤玉集落を潤してきた歴史と親しみやすさ、水源の杉池大明神で行われる祭事を含む歴史、そして離島の集落を見おろす小佐渡山中の峠という個性的な立地を考えると、この池が全国ため池100選に選ばれていないことが不思議なほど。

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赤玉池側から見たひょうたん池。道の先にあるが堰体部。


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地図の上の方に、小さく「杉池」の文字と引き込み線がある。


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駐車場と案内板。

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マークした場所は駐車場。