利尻島観光で人気の湖は、なんと養殖用の人造池だった?
島南部のオタトマリ沼に対し北部の姫沼は利尻島の両横綱といえる観光スポットであるが、なんとなんと現地の看板でびっくり仰天、大正6年(1917年)に三つの天然池の流れ出し側に堰を設けて水没合体させて造られた人造湖だった。池名がアイヌ語でなく日本語だったので違和感はあったが、池名の由来もまたびっくり仰天で養殖のためにヒメマスを放流したことによるものだという。水源は湧水。
ヒメマスは美味なことから現在は中禅寺湖、十和田湖をはじめ東日本を中心に山上湖に移流もされている。原産は北海道の阿寒湖とチミケップ湖。
それにしてもヒメマス養殖とは意外だった。利尻島は海岸でいくらでもサケが捕れるので、長野の池での鯉養殖のように自給用のタンパク源を求めて造ったものではなさそう。今でこそ利尻といえば高級品のウニが名産になっているが、昔は今ほどウニは価値がなかったのかも。現金収入を夢みて付加価値の高いヒメマス養殖に挑んだ大正ロマンであろうか。
姫沼に見る人工池の構造
人工の池として、まず見るべきは吐き出し側の堰堤(堤)。そして流入口。湧水が水源ということなので、湖底から湧きだしているタイプでなければ何らかの人工物が見つかるはず。
プラナリアの新種など利尻固有種も生息する一方、先述したヒメマスのほか、鯉、スジエビは人為的に持ち込まれた外来種。今後は駆除も含めて検討される可能性もある。釣り禁止看板は見あたらなかったが、植物採取は厳重に禁止されている。近くの沢ではオショロコマ(北海道特有のイワナ)が生息。
姫沼を歩く
利尻島の沼といえば、湖面に映る利尻の逆さ富士がラッキーアイテムであるが、吹きさらしのオタトマリ沼より原生林で囲まれた姫沼の方が逆さ利富士に会える確率は高そうだ。
観光バスも駐車できる比較的大きな駐車場(公衆トイレ付)から吊り橋を渡ってのミニ散策で、ビジターハウスの立つ湖畔に出る。
ところどころが木道になった湖畔周回路は一周すると20分ほど。逆さ富士撮影ポイントに行くには、反時計回りに歩くと近い。
姫沼ポン山探勝路でポン山を往復すると6時間コース。山深いコースでも熊、蛇がいないのは利尻ならでは。
フェリーが発着する鴛泊港から近い
鴛泊港は極北の離島のムード満天の異形の岬が迎えてくれる。
対してフェリーやフェリー埠頭はちょっと洗練されすぎという感じも。
駐車場と案内板
Googleマップ
マークした場所は駐車場。