水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

清滝ダム(島根県大田)

きよたきだむ。

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常時水位が低いのは、洪水調節池の特徴。右側の岸に見える白いものは、取水管ではなく、水位を示す巨大物差し。

草に埋もれかけた碑文を読んで驚いた。
かつてここ大田には波根湖(はねこ)という湖周4kmクラスの、おそらくは潟湖と思われる湖があったことが記されていた。ダムと何の関係があるのかと思って読んでみると、この波根湖、たびたび氾濫によって農民を苦しめてきたが、干拓されロストレイクとなる。この際に、洪水調節の大役を担って住民悲願のアースダムとして竣工したのが、この清滝ダムだということである。
水不足解消のために造られることが多い土盛りの溜め池だが、ここでは逆に洪水調節が悲願だった。確かに常時水位はかなり低めで、取水設備らしきものも見あたらず、驚くほど立派な洪水吐が目立っていた。

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アースダムなのに、大きくカーブした圧巻の洪水吐が、この池の役割をよく物語っていますね。


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