水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

鳥ヶ池(長野県大鹿)

f:id:cippillo:20190907161429j:plain
この写真の中に鳥ヶ池が写っているはずなのだが・・。木で見えない

予想外の苦戦・・とりあえず位置特定だけは

日本有数の山深い村として知られる大鹿村。現在は麓に道の駅もあるが、一歩、山の中に進むと目もくらむ急峻地形。
そんな大鹿の鳥ヶ池はキャンプ場の名にもなっているぐらいだから、延々とつづく狭隘急峻な山道をクルマで忍耐強く進むことさえ堪えれば、まず会うことにおいて苦労する池とは思わなかった。現地に行けば何とかなるだろうという考えが甘かった。
まず、標高2千メートル近い山頂近くの鞍部にある山池だったこと。
そして、鳥ヶ池キャンプ場から鳥ヶ池まで歩いて1時間以上かかること。これは現地の案内板で知ったが誤算にしては大きすぎた。
ダメ押しとして、遊歩道が入口からヤブ漕ぎ状態だったこと。夕方でもあり、ときおり雨がパラつく天候で、今回のアタックは予備調査と割り切った。

f:id:cippillo:20190907163129j:plain
鳥ヶ池キャンプ場の案内板


f:id:cippillo:20190907163140j:plainf:id:cippillo:20190907163102j:plain
カーナビでは道はもはや表示されず、鳥ヶ池の位置も完全に間違い。しかもキャンプ場マークが付いているが、これも間違い。鳥ヶ池キャンプ場は別の場所にある。ところどころ途切れたパンくず点線(走行軌跡)は、鳥ヶ池探索の執念と挫折の軌跡でもある。「4」のマークは鳥ヶ池への分岐の位置


キャンプ場の名になっているぐらいなのに、鳥ヶ池は実態がなかなか掴めない池である。地図やカーナビに記されているのは、キャンプ場の場所だったり、そもそも位置が間違いだったり、と、まったく使えない。というか、この誤情報に惑わされた。まいった。
現地の案内板を見ても、鳥ヶ倉山頂上と鳥ヶ池との位置関係がアバウトすぎて分からない。頂上近くの池なのか、谷部にある池なのかも分からない。
林道の奥までクルマで進めば、鳥ヶ池に肉薄できそうな感じなので、がんばってクルマで進んでみた。進むべきではなかった。
ダート路の真ん中に鎮座する落石をおそるおそる除けながらガードレールのない道をのろのろ、よたよた。大きな石に阻まれ泣きそうになりながらUターン。あやうく、ぜんぶバックで戻る羽目になるところだった。
後学のため、調査空撮を行なう。地図がアテにならず電波も入らない以上、勘というより当てずっぽう。なるべくたくさんのアングルから写真を撮るようにした。
帰還後、航空写真などと付き合わせて、位置特定に成功。
次回のアタックでは、きっと会うことができるだろう。


f:id:cippillo:20190907161454j:plainf:id:cippillo:20190907161443j:plain
Googleアースの3D航空写真の方が、池が明瞭に識別できる。空撮の場合、地形の起伏は把握しやすい一方、池自体の姿は木立の陰に隠れやすく、必ずしも優位性があるとはいえない。擬似的な3D写真の方が、池の位置特定に使いやすい場合もある好例といえよう。下はGoogleアース(左)と国土地理院ウェブ(右)からキャプチャーしたもの。林道終点の情報のフラットな鞍部に、池の姿が明瞭に捉えられている
f:id:cippillo:20190907162424j:plainf:id:cippillo:20190907162412j:plain


f:id:cippillo:20190907163114j:plain
キャンプ場から出ている鳥ヶ池へのアプローチ路の入口。のっけからヤブ漕ぎ状態・・


f:id:cippillo:20190907155907j:plain
ぽっかり穴があいているような場所が鳥倉山頂上。当初はこれが鳥ヶ池かと思ったが、そうではなかった。


f:id:cippillo:20190907160021j:plain
この写真の中に鳥ヶ池がおさまっているはずではあるが、ほぼ真上の位置からでないと、池の姿は見えない


f:id:cippillo:20190907155922j:plain
パラグライダーもできる鳥倉山の超絶地形


f:id:cippillo:20191229204049j:plain
大鹿村の池めぐりマップ ver.1.0 (2019)


マークした場所はズバリ!鳥ヶ池。誤差10m以内。地図では池としての記載はないが、航空写真に切り替えると池を確認できる。