水辺遍路

実踏・日本の湖沼 6,750湖

巨椋池(京都府伏見)

おぐらいけ。大池。
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池の名をもつ湖沼としては日本第二位だった、消えた巨大湖。

畿内を流れる宇治川、木津川、桂川の三川が落ち合って淀川と名を変えて下って行く一帯は、古来から舟運の要衝であると同時に万葉にも詠まれた景勝地でもあった。今、このあたりを地図で見れば、舟運のかわりに南北と東西を走る高速道路が合流し、やはり交通の要になっている。
以前からここを通過するときに「巨椋池」というインターチェンジの看板が気になっていた。畿内通過は深夜が多く、高架道の下にどんな池が広がっているのか妄想をふくらませたものだ。
しかし地図を見てもそれらしき池の姿はなく、不自然なほど整然と区画された広大な平野が広がっているだけだった。
じつは昭和前期までここには、池の名をもつ淡水湖沼としては国内最大級の巨大な池があった。「池の名をもつ」という条件付きでみれば、日本一の鳥取県の湖山池に次ぐ規模である。
国内屈指の酒生産地である伏見はこの池の玄関口にあたり、伏見の地名自体に池で行われていた鴨猟の痕跡が残されている。
巨椋池を高速道のインターチェンジ名にしたのは幸いであった。永久にここに池があったことを名として留めることができる。消えて名さえ忘れられていく池のいかに多いことか。
巨椋池インターチェンジを降りてあたりを逍遙してみると、改修された川の又に巨椋池の名残りともいうべき大池神社があった。
この神社の碑文によると、昭和28年の台風による洪水で一帯が浸水し、ありし日の巨椋池の光景が蘇ったとの記述が印象的だった。この石碑の上端は、洪水時の水位と同じ高さになっている。
湖周10km超級で現在消失した湖沼としては、山梨県の忍野湖(宇津湖)、秋田県の大野の湖(大野潟)がある。

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石碑の上端は、洪水時の水位と同じ高さ
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マークした場所は大池神社。