水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

南方小池(岡山県備前)

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かなりレジャー用に改造されてはいるが、ため池の構造がみてとれる。

備前の大池公園内にある二つの池のうちのひとつ。
大池の方は周長1kmクラスでV字形をした谷池タイプの溜め池構造をもつ。
小池はその堰体直下にあり、やはりもとは溜め池と思われる。従来は大池とは二段の重ね池だったのだろう。大池公園が整備された際に、小池には二本の釣り桟橋が設けられ、「南方つり堀公園」という名で営業していた。低料金でへらぶな釣りができることや、鯉やニジマスなどのファミリー釣り掘と違って、趣味性の強いヘラブナ専用の管理釣り場ではきわめてめずらしいことに貸し竿やエサもあったようだ。価格も500円とかなり安いが2016年以降は休園となっている。
池のインレット側には噴水と石積み護岸が見られるが、これは釣り掘公園時からあった。左岸側の建物は釣り堀時代の管理棟。
釣り設備自体は撤去されていないし、岡山県唯一のヘラブナ管理釣り場だっただけに、ぜひとも再オープンしてほしいものである。

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大池インレット側にある駐車場と案内板。

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通常の「釣り堀」はコンクリートの枡形をしたプールのような池が主流で、ニジマスや鯉を対象としたものが多く、低料金でファミリー向けのスタイル。
一方、趣味性の強いヘラブナ釣り場は、溜め池に桟橋やボートのりばを設けて管理釣り場とするスタイルが全国各所で見られるが、料金は2000円以上と高め。

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釣り師自身が厳選した数万円もの高級専用竿を五本、六本を持ち込むのは日常茶飯。エサは状況にあわせて数十種類の中からブレンドするなど、趣味性・競技性の高いヘラブナ釣りでは、貸し道具や貸しエサが用意されていることはマレ。
それだけにこの南方小池は、「釣り堀」と呼ぶには惜しすぎる好釣り池だっただけに休園が惜しまれるのです。


マークした場所は駐車場。