水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

メヌウショロ沼(北海道利尻)

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メヌウショロはアイヌ語で「湧水池のある湾」。また何と詩的な名か。北海道では山名の多くでアイヌ語が廃され味気ない日本語名が付せられたことを「百名山」作者の深田久弥氏も嘆いていたが、湖沼ではアイヌ名が残されていることがうれしい。
利尻島内のオタトマリ沼、姫沼、メヌウショロ沼のいずれからも利尻岳をのぞめるが、ここからの利尻富士がいちばん好きだ。こじんまりとしていて駐車場が1台分しかないせいか、観光客の多いオタトマリ沼や姫沼と違って、じつに静かな沼時間が流れていた。そよ風はやまず、湖面の逆さ利尻には会えなかったが、思い出深いひとときだった。
成因は火口湖(マール)。縄文時代に海面が上がったことで入り江となり、その後の海退で沼となって取り残された。アイヌ語名で「湾」という語が入っているのは、名付けが縄文時代にさかのぼるということだろうか。
メヌウショロ沼を包む高層湿原の南浜湿原は利尻礼文サロベツ国立公園に指定。
外来種、といってもここでは植物だが、駆除活動が行われている。メヌウショロ沼を訪れる際は、靴底を洗って、といってもなかなか難しいが、外から植物の種を持ち込まないようにしたい。
トイレおよび遊歩道あり。

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メヌウショロ沼は道をはさんで海が広がる。海面とやや標高差があるが、昔は入り江だったのだろう。
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案内板と駐車場。見えている小屋はトイレ
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マークした場所は駐車場。