水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

舞鶴が池(岩手県平泉)

まいづるがいけ。
f:id:cippillo:20180510104549j:plain

世界遺産かつ国指定特別史跡である毛越寺(もうつうじ)の境内に隣接する付属庭園にある美しい名と景観をもつ庭園池。
英語表記は"Maizuru ga Ike Pond"。正確に訳そうとすれば"The pond of Maizuru"なのか、語意を伝えることに重きをおけば"Pond of the courtship dance of cranes"(鶴の求愛の舞いの池)?
しかし「舞鶴が池」という言葉から果たして日本人自身が鶴の求愛ダンスをイメージしているかというと必ずしもみんながというわけではないかも。ただ優雅なイメージは共有されているだろう。
では訳語ではそのイメージを伝えることに重きを置くべきなのか、はたまた単なる固有名詞として表音的に訳すのがいいのか。日本の池の名がもつ豊かな魅力を伝える方法はないものかと、しばし池畔で頭をひねる。
世界的観光地となった芦ノ湖は"Ashinoko Lake"となっているが、意味でいえば"Lake of reeds"。アシがぼうぼうの湖、という語感が芦ノ湖の魅力を伝えているともいいがたく、そもそも芦ノ湖という固有名詞から日本人自身、そんなイメージはもっていないだろう。
そういえば1980年代の洋楽の日本語訳は熱くてすごかった。中学生のとき雷に打たれたプリンスの「ビートに抱かれて」という曲。原題が"When Doves Cry(直訳は「鳩たちが泣く時」)"と知った中学生は、二度目の雷に打たれたのだった。

f:id:cippillo:20180510104550j:plain

またまた池妄想が長くなったが、この場所には大泉が池と舞鶴が池の二池が並ぶが、じつは属する敷地が異なっており、池と会うためにかたや拝観料が必要だが、かたや無料で池畔を歩ける公園になっている。
舞鶴が池は、じつは長らく水田となっていたのを発掘調査に基づいて復元した池で、英知と労力とお金が注ぎ込まれている。そんな池を無料で楽しむことができるのは何ともありがたい。
駐車場は毛越寺の町営有料駐車場が近い。

f:id:cippillo:20180510104551j:plainf:id:cippillo:20180510104548j:plain
f:id:cippillo:20180510104542j:plainf:id:cippillo:20180510104537j:plain
舞鶴が池の案内板。


f:id:cippillo:20180510104538j:plainf:id:cippillo:20180510104539j:plain
池の地図(現地案内板)


f:id:cippillo:20180510104544j:plainf:id:cippillo:20180510104543j:plain
町営有料駐車場


マークした場所は日帰り温泉。