いちのだむ。櫟野川砂防ダム。
農業用水を供給する砂防ダム。スモールマウスバスも。
堰体横にある竣工碑には「櫟野川砂防ダム」と記されていたが、その隣にならぶ看板には「櫟野川単独砂防堰堤」とあった。事業主および管理は大原貯水池土地改良区。砂防ダムと名の付くハイダムの事業主が農家の団体である土地改良区というケースはあまり見たことがない。
もともとは砂防ダムとして計画されたが、農業用水の利水機能を追加したかたちで計画が見直されて完成。
通常は防災系ダムと、かんがい用ダムとでは、公的な事業費(あるいは補助金)の出所が異なるので不思議に思ったが、看板の設置者名に「滋賀県甲賀地域振興局建設管理部」とあったので、なるほど、地域振興という旗印であれば行政タテワリを越えてハイブリッドにいけるわけだ。
池は針葉樹林の山なみのなか、岸辺にそって広葉樹が新緑に萌え出して映えていた。
じつはここは2008年、スモールマウスバスが捕獲され生息が確認された。滋賀県の内水面で二例目ということである。また、貯水池の水が流れ出す野洲川自体でもコクチバスの繁殖が確認されている。
1.5車線のアプローチ路入口で害獣除けのゲートを開け閉めして入る。駐車スペースあり。
外見はよく見かけるタイプの砂防ダムですが、ていねいな案内板には取水設備として直径40cmのパイプと「スリースバルブ」が設置されているとあります。
「スリースバルブ」とは聞き慣れない言葉ですが、ゲートバルブともいうようです。しかし多目的ダムにあるような「ダムの顔」的なカラフルな鉄製ゲートとは違うらしく、堰体には特に目立った表情はありませんでした。
マークした場所に駐車スペース。