水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

八幡沼(埼玉県加須)

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溜め池だと思いこんで訪れてみたが、どうもかってが違う。取水設備らしきものがない。
ありがたいことにウィキペディアにこの池の成因が記されていた。河川の氾濫後、水が引いたあともくぼ地に水が溜まったままで池になったものだという。
こういう池は河川敷内にしばしば見られるが、釣り人のあいだでは「ジャリ穴」と呼ぶ。ジャリ穴は洪水で消えたり、まったく新しいところに出現したりするので油断ならない。
似たタイプの池として、河川改修や河道の変化によって旧河川が池として取り残されたものは三日月湖(河跡湖)という。人の都合で生まれることもあるし、自然の洪水が原因となることもある。
近世まで長く河川の氾濫原だった埼玉にはジャリ穴が多く、近代以降の排水技術の進歩と農地・宅地の開拓によって、こういったジャリ穴が固定的な池となって残っており、特にこの地域では「押掘(おっぽり)」と呼ぶ。
押掘は好釣り場としての環境をそなえており、へらぶな釣り王国の埼玉ではかっこうの野釣り場として独自の発展をしてきた。この池にも固定釣り台のようなものが見られたが、朽ちていた。(下写真)

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池の南岸側は堤のような構造が見てとれましたが、これは河川自体の堤と考えられます。航空写真をみると、川の堤がこの池を迂回するようまわりこんでいるのがみてとれます。つまり河川敷内の池ということになりそうです。


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