かつおだいけ。
海南野池群では、ため池100選の亀池、神話的な歴史をもつクモ池といった動物の名を思わせる池名があるが、ここはなんと海水魚の名。
溜め池に海水魚の取り合わせは記憶にあまりなく、鮪池(まぐろ)や鯖池(さば)、鯵池(あじ)、鯛池(たい)は、まだお目にかかったことがない。
鱸(すずき)や鰻(うなぎ)といった、汽水域から川にかけても生息するハイブリッド海水魚となると、事例も思い起こされるし、池名としても違和感は小さい。
鹿児島には大隅半島に鱸池(すずきいけ)、薩摩半島に鰻池(うなぎいけ)がある。また、すずきが池は新潟県村上の海のすぐ近くの溜め池、鰻池(うなぎいけ)は愛知県にも。
それにしても、鰹(かつお)というのは、やっぱりめずらしい。
池は1車線道路沿いにあり、木の板で嵩上げをするようコンクリート土台に溝が切られた洪水吐がまず迎えてくれる。池の表情はすがすがしい。
一部、道路が池岸に沿っているので、のぞいてみるとブルーギルが見られた。いい池だが残念ながら釣り禁止看板が立っている。
生粋の海水魚の名をもつ池は全国的にもレアな存在だろう。鰯(いわし)について調べてみると、なんと能登半島(富山県)の山深いブナ林の中にイワシガ池という池があった。
とはいっても山深くである。「岩清水(いわしみず)池」が転訛して「イワシガ池」になったとする説が立地的にも説得力があるが、一方で、飢饉の際に鰯(いわし)が池から湧き出て人々を飢えから救ったというロマンある伝説も。
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