水辺遍路

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蛙股池(奈良県奈良)

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最古のため池説もある、ネーミングの絶妙な池。

7世紀初頭の女性天皇として有名な推古天皇の時代に四つのため池が築造されたことが日本書紀に記されており、そのうち「菅原池」が現在の蛙股池ではないかという説がある。
このため現存する日本最古のため池という秘めたる可能性をもつ。
V字型の谷を堰いた谷池タイプのため池で、池岸は木々の緑に包まれているが、その先はびっしり住宅と学校がたつ。
V字の北側の腕を横切る遊歩橋が架けられており、まっすぐに「あやめ池神社」へとつながる。この神社はV字のくぼみの部分に位置し、なぜこの神社の名が蛙股池神社ではなく、あやめ池神社なのか不思議である。
池名の蛙股(かえるまた・蟇股とも)は、木造建築における部材の名称で、本来は梁を支える構造上の建具だったが、次第に装飾的な要素が強くなり、みごとな龍や波などが彫刻されたものもある。

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