能登歴史公園。
山上の池にイワシが湧いた? 雨乞いや万病に効く霊池。
石動山は標高565メートルの山岳信仰の道場となってきた霊山。山の一角に寺院の大伽藍を抱く。
この大伽藍の一角、ブナ林に囲まれ静かにたたずむイワシガ池は、雨乞いの祭事も行われた神聖な場所で、雨乞池やアカ池(閼伽池)の別名ももつ。案内板によると、閼伽池とは仏前に供える水をとる池のことをいうそうだ。
山中の池なのに飢饉の際にイワシが湧きだして人々を飢えから救ったという不思議な言い伝えもあり、イワシガ池の名になったという説も。
池は石組みの正方形で、まん中近くに石の小島が据えられている。池というより大きめの井戸といった風情で、かたわらに祠と「雨乞所跡」の標柱。
流入する水は、水くみがしやすいように配慮されているのか塩ビパイプから注ぐ。池の水は万病にきくと地元の人には信じられており、7月7日の開山祭には多くの参詣者が池を訪れる。
一帯は能登歴史公園(石動地区)として駐車場、トイレ、資料館、遊歩道などが整備。
海水魚の名をとった池は全国でも少なく、ほかには新潟県のすずきヶ池、和歌山県の鰹田池ぐらいしか思いつかない。
マークした場所は駐車場。