水辺遍路

実踏・日本の湖沼 6,200湖

土木遺産・産業遺産の水辺

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(豊稔池。現存する最古のマルチプルアーチダム。香川県)

湖沼のかげに土木技術あり。

日本の池・湖沼の99.8パーセント(※水辺遍路試算)は人の手が生みだしたというと驚かれるだろうか。
わずか1パーセントに満たない天然湖沼でさえも、完全に自然のままというものは稀で、多くは何らかの形で人が手を入れることで維持されたり、利用されたりしている。例えば日本で四番目に大きい天然湖である猪苗代湖でさえ、明治時代に水門を造って湖面水位を上げ、長大な用水路によって会津や安積平野に利水されており、いわば天然と人工のハイブリットダムといえよう。琵琶湖や青木湖も堰によって水位が人為的にコントロールされている。
ため池については、そもそもが人工物である。古くは古代から池造りがはじまり、江戸時代にもっとも多くのため池が造られた。人手を集めて盛り土をし、底をさらい、長年の汗と努力の上に造られ、維持されてきたものである。
そんな水辺を支える土木技術には、先人たちの知恵と情熱が多くの無名の汗とともに刻まれている。

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新幹線新神戸駅から歩いて行ける布引五本松堰堤は、日本初の重力式コンクリートダム。

水辺は土木・産業遺産の宝庫。

世界遺産登録とあいまって注目が集まる日本の産業遺産。ほとんどすべてに人の手と土木技術が投入されている日本の湖沼は、じつは産業遺産の宝庫といえる。思わぬところに貴重な遺産があるかもしれないし、まだまだマイナーだったり埋もれた産業遺産も、近くの水辺に眠っているかもしれない。
水辺に与えられる勲章としては、ユネスコの世界遺産、文科省の重要文化財を筆頭に、文化庁の登録有形文化財、経産省が認定する近代化産業遺産といった国レベルのものから、都道府県や市町村など自治体単位でも認定しているところもある。また、公的機関ではなくとも、土木学会認定の近代土木遺産のように広く認知されているものも。

掲載している土木遺産・産業遺産の水辺

  • 笹流ダム(北海道函館)土木遺産。
  • 高暮ダム(広島県庄原)近代土木遺産。
  • 元小屋ダム(北海道上士幌)有形文化財。
  • 皆瀬ダム(秋田県湯沢)
  • 大倉ダム(宮城県仙台)
  • 十六橋水門(福島県会津若松)猪苗代湖をダム化。
  • 大源太湖(新潟県湯沢)★★★日本初のアーチダムとして登録有形文化財。
  • 浅河原調整池(新潟県十日町)近代土木遺産。
  • 庄川用水合口堰堤(富山県砺波)★★有形文化財。水公園として整備。
  • 城端ダム(富山県南砺)
  • 祖山ダム(富山県南砺)近代土木遺産。
  • 牛伏寺砂防ダム(長野県松本)★重要文化財。
  • 真壁調整池(群馬県渋川)
  • 野反湖(群馬県中之条)
  • 東金円筒分水工(千葉県東金)
  • 下九沢分水池(神奈川県相模原)
  • 竹山池(神奈川県横浜)高度成長ノスタルジー。
  • 山県水道水源池(神奈川県小田原)
  • 大間ダム湖(静岡県川根本町)近代土木遺産。
  • 小渕ダム(岐阜県可児)★日本最古のロックフィルダム。CFとしては国内で三例のみ。
  • 大井ダム(岐阜県中津川)★★恵那峡と近代土木遺産。
  • 兼山ダム(岐阜県可児)土木遺産。
  • 丸山蘇水湖(岐阜県加茂)
  • 布引五本松ダム(兵庫県神戸)★★★日本初の重力式コンクリートダム。
  • 上田池ダム(兵庫県南淡路)近代土木遺産。「重力式粗石モルタルダム」
  • 加古大池(兵庫県加古)★★近代化産業遺産。ため池100選。
  • 豊稔池(香川県観音寺)★★★日本最古のマルチプルアーチ式ダム。同型は国内で二例のみ。
  • 大美谷ダム(徳島県那賀)有形文化財。
  • 別子ダム(愛媛県新居浜)現役の産業遺産。
  • 大橋ダム(高知県いの)土木遺産。
  • 千本貯水池(島根県松江)土木遺産。有形文化財。
  • 本庄ダム(広島県呉)★花崗岩の石積堰体は国の重要文化財。
  • 久山田ダム(広島県尾道)国指定の有形文化財。
  • 内日貯水池(山口県下関)下関の産業と暮らしを支えてきた水がめ。
  • 河内貯水池(福岡県北九州)近代化産業遺産。
  • 道原貯水池(福岡県北九州)近代化産業遺産。
  • 菰田ダム(長崎県佐世保)近代土木遺産。
  • 天ヶ谷貯水池(大分県九重)近代土木遺産。
  • 津賀ダム(高知県四万)★森林鉄道跡のめがね橋が県の近代化遺産に。


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東洋のマチュピチュと鉱山廃墟跡の道の駅にはさまれた鹿森ダム(愛媛県新居浜)。上流には上記リストにも入っている別子ダムがある。


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