水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

府中湖(香川県坂出)

ふちゅうこ。府中貯水池。府中ダム。

坂出の水源池は、西行も歌に詠んだ景勝地。

海側の坂出市の水不足解消のために造られたダム湖。
入り組んではうねり、うねっては入り組む複雑な地形。ダムができる前はドンドロ渕とも呼ばれ、地図を見ただけで釣り師たるもの、血が沸き立たずにはいられないだろう。
釣り師だけではない。古来からここ滝宮の美しい景観に心奪われた人のなかには、かの西行法師も名をつらねる。
 
自ら岩にせかれて諸人に
    もの思はする綾川の水  西行

 
もっとも西行が見た景色はダムの完成で正確には水没しているが、山と水が育んできた変化に富んだ表情は変わらない。西行の知らぬ人造湖が添えられ、現代の「新さぬき百景」の水辺が生まれた。

道の駅のすぐ横手のインレット。右に見えるのは道の駅の建物

池の多い香川県でも筆頭格の人気野釣り場。

この好環境のなかで50オーバーのブラックバスの実績多数、アクセスのよさも合わせ香川県の本命中の本命フィールドといって間違いない。有名バサーのみならず著名人が訪れることでも知られる。それだけに釣り人も多いが、複雑な地形のおかげで入釣ポイントは多い。また周辺に野池も多いので自転車を持ち込んでのランガンが最適だろう。テレビ番組「ザ・フィッシング」においても「バス・陸っぱり」編で、自転車でランガンする企画が放送されたこともある。
また、へらぶな釣りに関しても、野釣りオンリーの四国の釣り場の中では比較的数が上がるフィールドながら、数少ない好ポイントは休日ともなれば地元釣り師で埋まるため、ビジターはなかなか難しいだろう。ただ、まとまった規模の駐車場がなく、ぽつぽつと点在する駐車スペースを利用するしかなさそうである。
オリンピック代表選考会をはじめとする全国規模の大会が開催される本格的なカヌー競技場でもあるが、残念なことにボート釣りに関しては許可しないスタンスのようだ。


高速インターからの抜群のアクセス性と、インレット側の道の駅。

高松自動車道の府中湖パーキングエリアから湖が見える。
また、このパーキングのスマート・インターチェンジを利用することで府中湖に瞬間アクセスが可能。
インレット側にある道の駅・滝宮は讃岐うどん発祥の地でもある。道の駅から歩いてすぐに陸っぱりできるポイントもある。

道の駅・滝宮と案内板


マークした場所は道の駅。