水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

飛行機型池(大阪府泉南)

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その機首が向かう先には?

大阪と和歌山県境近くの半島中央部を占める山中に、とつじょ現れる広大なフラット空間。敷地の半分近くは工場と太陽光パネルが占めるが、残りの区画が多目的公園ということになっている。
このいきいきパークみさきの南端に、なんとも不思議な形の池を見つけた。
飛行機型池。
Googleマップにそう記載されているとおり、まさに飛行機の形。
位置的に、池の機能は造成に伴う調整池であろうか。それにしては貯水キャパシティが少ない気もする。かといって親水機能についても疑問。フェンスで池には近づけないし、景観要素ならば隅においやられたようなポジションもおかしい。
そもそも公園の雰囲気自体がなんとも不思議。ひたすら広いのに要素がばらばらで、園内をクルマが通れる二車線路が縦横に走る。
公園の北端側にも別の調整池があるが、そちらはしっかりと調整池の顔をしている。
シルバー人材として公園の管理に来ていたおじさんの話では、この巨大空間は山をまるまるひとつ切り崩して造成したという。切り出した土は関西空港の第二滑走路の埋め立てに使われたとか。あまりに多くの土が必要だったので、ここ以外にも淡路島や和歌山からも土を持ってきたという。そういえば豊臣秀吉は大坂城築城の際に、石垣に使うための大石を全国あちこちから搬出させたという話もあったような。
土を切り出したあとに生まれた広大な空間は工業団地になるはずだったが、思ったように企業が集まらず、とりあえず余っている敷地が虫食い状に公園化されたというのが実態のようだ。
関西空港を造るために山ひとつ葬ったというスケールもすごいが、その鎮魂のために飛行機の形をした池を置いたのだろうか。機首の向かう先には、よもや関西空港が!? と地図を確認してみたが、そんなことはなかった。
何かの形をした池では、日本列島の形をした島がある府内の昆陽池が有名だが、東京都にも水鳥の形をした葛西臨海公園の下池がある。
ほか、手賀沼を模したミニ手賀沼の池が千葉に。
北海道も何かの形をした池が好きなようで、フクロウの形をしたふくろう池や、帯広には北海道の形をした池がある。
偶然の産物としては、千葉県木更津に航空写真で見ると古代魚の顔そっくりの浸透実験池や、ノラクロ軍曹の頭部シルエットが浮かび上がる山形県酒田市のノラクロ池などもある。

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地上から見ると飛行機感はない。
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駐車場と案内版。


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マークした場所は駐車場。