水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

船形山の山池さんぽ(宮城県)


巨大地すべり地形が生みだした池群

奥羽山脈中部に位置する二百名山の船形山は、天然の山池の宝庫であり、毎年のように再訪をかさねている。これほど執拗に時間をかけている池群も他にない。雪で行く手を阻まれたり、毎度、苦労させられているが、現地案内板や聞き込みなどの情報を積み上げて徐々に全貌が明らかになってきた。
きら星のように湖沼や池塘を持つのは、凝灰岩質の大規模地すべり地形だったことによる。船形山の山池の魅力は、壮大な巨大地すべりが長い時間をかけて生み出した自然の造形にある。

 

南麓・東麓湖沼群

桑沼が筆頭格

南東麓側ではずせないのは桑沼だが、2017年5月には未舗装林道を艦載小型オートバイ「モンキー」で進んだ末、あと2kmというところで厚い雪に阻まれ撤収。このとき桑沼下の池(仮称)の存在を知った。沢途中のきれいな池である。
保野川ダム側からの林道でもアプローチを試みたが、やはり通行止め。やむなく撤収。
2018年5月後半。走破力の高いオートバイ「Dトラッカー125」で桑沼に達することができたものの、山頂方面の大滝キャンプ場に向かう林道では分厚い雪に阻まれた。ただ現地の状況がかなり把握できてきたので、絵図マップに反映させた。
拠点としては旗坂野営場に駐車場とトイレがある。ここから遊歩道を1.3kmほど登ると、すりばち沼、さらに県道近くまで進むと大沼がある。

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旗坂野営場の駐車場と案内板


旗坂野営場は渓流釣りのエントリーもしやすい。


素晴らしい渓相の沢。イワナ、ヤマメが放流されているとのこと。


雪による撤収は2017年につづき2018年も。5月ではまだ厳しい。


桑沼と遊歩道案内




 

北麓湖沼群

北東麓側の主役である白沼・長沼には千古の森キャンプ場があるがオープンは6月から。やはり冬期通行止めでたどり着けなかった。これらの湖沼群を水源として流れ出す渓流で釣りをするには入漁料が必要で、無鑑札での釣りは厳罰とのこと。
2019年9月に白沼、長沼は到達することができた。往復で20km近くもダートを進んだ。ガードレールもなく崖を這う離合困難な林道なので、対向車が来れば世にも怖ろしい思いをしただろう。軽自動車以外は避けるのが無難だ。
さらに北西麓湖沼群とでもいおうか、名が分かるだけで20以上もの池塘群の存在を知ることができた。これらは今後、鳥瞰図を描きながら少しずつ訪ねていこうと思うが、荒沢自然館という施設に駐車場とトイレがあるので、最適の拠点になってくれそうだった。

2019年にその存在を知った北西麓湖沼群。
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登山で行く山腹の山池

標高千メートルの大滝キャンプ場は船形山の登山口のひとつになっている。ダートだがここまではクルマでも入れる。
徒歩10分ほどで、ルリ沼の別名のある鈴沼が水をたたえて待っている。
登山口に戻り、50分ほど山頂をめざしていくと分岐があり、前船形山の鞍部に鏡ヶ池が瞳のように空を映す。



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船形山の地形(空撮)

主峰


保野川の水源林




 

マップ

池さんぽマップ



船形山山麓湖沼群マップ旧バージョン

Googleマップ

マークした場所は千古の森キャンプ場駐車場。(要予約)