だいじょういけ。
淡路島でも屈指の見ごたえをもつ近代土木遺産。
近現代的なダム構造をもたないアースダム形式の溜め池としては淡路島最大の貯水量を誇る大城池。とはいっても設計者、施工者ともに大物の技術者だけあって、ただのアースダムではない。
堤高35m(完成当初は30m)の堰体や取水塔は池の名のとおり城郭を思わせる重厚さ、堅牢さを漂わせており、近代土木遺産にも認定。
長方形の間知石をモルタルで目止めしつつ矢羽根組みした堰体前面は垂直近い斜度から徐々に緩やかになっており、果たしてこれをアースダムに分類していいのか分からない。
翻って堰体背面(下流側)はゆったりと緩傾斜の裾を落とす巨大アースダムらしい雄大さだ。
すぐ下流側には鮎屋川ダムがあり、二連、三連と重連機関車のように大型貯水池がつらなる淡路島南部特有のスタイルであるが、単なる重ね池ではなく、両貯水池の100mの隔たりには、急坂のヘアピンカーブを駆けのぼるダイナミックな地形。洪水吐から流れ落ちる水の流れは、滝さながらである。
鮎屋川ダムインレット部からのアクセス路は狭いがクルマでも問題はない。