あらきねだむ。
オープンな雰囲気をもつ小規模ダム。その、ちょっと変わった本当の役割。
いすみ市、大多喜町、勝浦市にまたがり、かつては外房のローカルメジャーなバスポンドとして、知る人ぞ知る荒木根ダム。(※現在、ボートおよび釣り禁止)
そのほんとうの役割はちょっと変わっている。
夷隅川に含まれる塩分濃度を下げる仕事をしているのだ。
渇水時など夷隅川に流れる水の量が減ると、土中からしみ出す塩分の量は同じでも相対的に濃度が高くなる。塩害という言葉もあるように農業にとって塩は敵。だから塩分濃度が高くならないよう、夷隅川の流量が減ったときに、支流側にあるこのダムが水を送り出し、流量をサポートしている。
ひと味違う目的で支流から夷隅川をサポートしているのは荒木根ダムだけではない。もう少し上流側の支流にある平沢ダムが薄めているのは、塩ではなく、なんと天然ガス成分。いわゆる鉱毒対策ダムである。
レジャー要素を取り込めば観光資源としてのキャパあり。
フェンスもなくオープンでおおらかな雰囲気をもち、房総野池特有の黒い水の呪縛もなく、農業用小規模ダムとしては房総トップクラスの釣り環境をもっていた。堰体横にはテーブル状の草地が湖面に突き出しており、堰体も含めて、おかっぱりもしやすく、アクセスも容易であることから、バス釣りのアングラーに人気があった。
釣り禁止看板が撤去されていた時期もあったが、2017年5月、再び釣り禁止になったという情報をコメント欄にいただき、さっそく現地に行ったところ、堰体部の禁止看板だけでなく、ダート林道で入れるインレット奥部にも釣り禁止看板を確認した。
堰体。
インレット側。
インレット側の県道。ダムインレットへの未舗装林道はクルマ止めがあるが、オートバイなら入れる。
駐車スペース。
マークした場所に駐車スペース。