水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

あまが池(群馬県伊勢崎)

湧水あまが池。

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三年ごし、三度目の正直でやっと会えた、あまが池。伝説にならい「あま!」と呼ぶと、鯉が水面に波紋を描いた。

三度目の正直で会えた湧水の池。

もともとは2015年に他の池に行く途上、たまたま「あまが池」の道路案内看板を見つけ、誘われるように進んでみたことにはじまる。このときは、伊勢崎線の線路で道は行き止まり。そこに調整池のような池があったので、これかと思ったが違う気もする。訝しい思いで帰還後に航空写真や伊勢崎市のホームページで調べてみると、あまが池ではなく、100mほど北の場所のようだった。

湧水あまが池は、大間々扇状地の扇端に位置し、渡良瀬川の伏流水がこの地で湧き出たもので、扇端上にあたる太田市新田地区まで湧水が点在する。湧水は流れ出して谷戸を形成し、水田が開かれ人々の生活を潤してきた。言い伝えでは、この池に向かい、「あま」と呼べばその声に応えてあぶくが湧くという。
(伊勢崎市ホームページより)

二度目のアプローチでは、調べた情報をもとに水辺遍路マップに正確な位置を落とし込んでおいたので、もう大丈夫と思っていたが現地に着いてみると見えるのは田畑と荒地だけ。


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2015年の初回はあまが池へのアプローチ失敗。真ん中の写真はその際にあまが池と間違えた池。右の写真は翌年に訪れた際のもの。池らしきものが見あたらない。


伊勢崎市のホームページでもう一度確認してみるが、誤差範囲10m以内のピンポイントで場所は間違えていない。
家に帰ってから、航空写真などを精査してみると、どうやら市のホームページに記載されている地図の場所が間違えているようで、200mほど北に公園のようなものが見える。ここが、あまが池か・・と思って位置をプロットするものの、さらに後日、再度、伊勢崎市のホームページを確認してみると、あれっ・・。地図の位置が修正されているし、予測した場所ともぜんぜん違う場所を示している。
しかし航空写真に切り替えてみても、市が示す池の場所には民家があるだけ。伊勢崎市は、あまが池を訪れようとする者を徹底して攪乱しようとしているのか、やはり個人ブログでも、あまが池探しの泥沼にはまっている人もいた。
情報を総合して、ほぼ間違いないという場所の特定を行ない、2018年秋に三度目のアプローチ。
会えた、やっと会えた。石碑や案内板もあるが、駐車場はなく、民家や田畑が隣接している。それでも間違いなく、あまが池。やはり本物は本物らしい雰囲気がある。もう少し荒れた感じを想像していたが、草は刈り払われ、小公園のおもむきでたたずんでいる。
伝説では池にむかって「あま」と呼ぶと、あぶくが応えるという。呼んだが応えたのは鯉の方だった。錦鯉を含めて野鯉が数尾。人慣れしていて、エサをくれると思うのか鼻先を出してくる。
ぐるりと玉石コンクリートで護岸された池は小さいものの、水の透明度は高い。蓮が半分ほど水面を覆う。今はこんな姿だが、石器時代から人の暮らしを支えてきたというから、池の戸籍には湧水による天然湖沼と書くべきだろうか。

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鯉の群れ。
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案内板と石碑。


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伊勢崎の野池ver.2.0改訂では、あまが池の正確な位置をプロットした。

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