【兵庫県立明石公園】
明石城趾を中心に球場やサッカースタジアム、博物館、図書館などをそなえた明石公園は、明石駅の真正面という立地。
駅側はお堀が道路とのあいだに水面をたたえ、公園内には剛ノ池を中心に、桜堀、薬研掘など城の水堀と、ひぐらし池、藤見池、乙女池などの庭園池もある。
堀にはハクチョウ、藤見池にはカモが水面をすべっていた。水の中をのぞきこむと大きな鯉も集まってくる。
藤見池のほとりには少々、枝ぶりがミステリアスな桜の木が立っている。なんでも岐阜県高山の御母衣ダム完成によって湖底に沈みかけていた「樹齢450年の老桜の二世」ということだが、「二世」とは何だろう?
ソメイヨシノが挿し木で人工的に殖やされたクローンという話は聞いたことがあるが、樹齢450年ということであれば間違いなくソメイヨシノではなく山桜のはず。(そもそもそのころはソメイヨシノが生み出されていない)
さて「二世」が意味するところは?
そして、なぜ岐阜の山中深くにあった桜が、遠く明石城の池に?
御母衣ダムの老桜と、全国の二世にまつわるドラマは、文豪・水上勉が『桜守』という題で小説化している。
- 作者: 水上勉
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