水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

群馬用水赤城流況安定施設の調整池(群馬県前橋)

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水資源機構が管理する池とあって驚いた。水資源機構といえば省庁横断の準国営的な組織で、数々のスーパー巨大ダムも管理する独立行政法人。
ここは小さな池なのにコンクリート垂直護岸と有刺鉄線付きのフェンスで囲まれ、ものものしい雰囲気。コンクリート造の建屋が池畔に立つ。
直線距離で18kmも離れた利根川上流の綾戸ダムで取水された水は、二つのサイフォン橋で川をまたぐ幹線水路によって、はるばるここ赤城南麓の台地まで送られてくる。
群馬用水・赤城幹線水路は総延長33km!
ダムで取水された水が水路終点に届くまで、なんと7時間もかかるという。時速4.7km。なるほど人が歩くぐらいの速度。
こんなに時間がかかると、水路の上流側でたくさん水を使ったら下流側にはちょっとしか流れてこないなんてこともありえる。そんな不公平を解消するために幹線水路の中間あたりに調整池を設けたわけである。
たまたま通りがかりに軽い気持ちで覗いてみただけの池だったが、なんとも大きな仕事をしていらっしゃった。感服。

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