水辺遍路

実踏・日本の湖沼 6,800湖

赤玉池(新潟県佐渡)

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赤玉池と杉池と赤玉杉池の混乱。

小佐渡の山中、県道の峠に分岐があり「ようこそ。赤玉杉池」と書かれた、やや古びた看板が立っている。白地に黄色い文字でもともと判読しにくいところにきて、日焼けでなかば消えそうになっている。
すぐ横の木柱の標柱には「杉池県民休・・」と彫られ、下の字は草に埋もれて読めなかったが、舗装林道に入って1kmほど進むと、なかなかの駐車場と遊歩道入口があり、掲げられていた案内板に「杉池県民休養地」とあった。

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県道の峠に立つ赤玉杉池へのアプローチ路入口を示す看板。

別の案内板のタイトルは「まなびの森・赤玉・杉池ふれあい広場案内図」となっており「赤玉」と「杉池」のあいだに「・」が入っている。
地図には二つの池が記載され、それぞれ「ひょうたん池」、「赤玉池」となっている。
現地では二つの大きな池に気をとられて見落としてしまっていたが、よく見ると地図の上の方に三つ目の池が記されていた。引き込み線の先には「杉池」の文字。
つまりこの園地には、ひょうたん池、赤玉池、杉池の合計三つの池があると読み取れる。

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地図の上の方に、小さく「杉池」の文字と引き込み線がある。


園内のもうひとつの案内板には、赤玉池に対して「ため池」という文字があてられている。ひょうたん池の方は同じだが、「池」の字が消失?
やはりこの案内図でも地図の上の方をよく見ると「杉池大明神」の一角に小さな文字で「杉池」とある。

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杉池大明神の中にも小さな池が記され、杉池と銘打たれている。ここでは赤玉池のことは単に「ため池」とされている。


少なくとも赤玉池と記された池は天然湖ではなく、人工の池らしい。
もともと湧水による古い水源池である杉池の水を効率的に運用するために、後世になってから二つの溜め池が造られたと考えられる。
池の護岸はコの字形にコンクリートで固められ、洪水吐も確認できた。この余水吐の先のコンクリート水路は、やや流下しながら、ひょうたん池の方に向かう。

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赤玉池の洪水吐と水路。


水路の右岸側には木道、左岸側には砂利道。いずれも、ひょうたん池に通じている。
奇妙なのは、この水路がひょうたん池のインレット側ではなく、堰体側に導かれていることである。この点については、ひょうたん池の項で検証したい。
「赤玉杉池」の呼称の方は、赤玉集落を潤す(あるいは位置する)杉池と捉えてもいいが、三つの池の総称とも考えられる。
一方、佐渡観光協会公式サイトでは「赤玉杉池」ではなく「杉池」というタイトルで、(杉池は)杉池とひょうたん池の二つの池からなる、と記述されていた。
つまり、こういうことになる。
湿地状の天然沼沢のオリジナル杉池が杉池大明神の林の中にあり、これを水源に赤玉集落の用水池として造成されたのが、ひょうたん池と赤玉池の二つの人工池。
ひょうたん池を見て杉池と思っている人が多いが(私もそうだった)、それもあながち間違いではなく、オリジナル杉池とひょうたん池をセットにした広義の「杉池」という用例も一般化している。

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水路の先に見えるひょうたん池。

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駐車場と案内板。


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赤玉池の池畔遊歩道。

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マークした場所は駐車場。