水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

山古志闘牛場の「ため池」(新潟県長岡)

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勝敗をつけない闘牛と文化。

千年以上の歴史をもつ山古志の闘牛。
山間の棚田における農耕や運搬には欠かすことのできない存在だったのが牛。じつは麓にも貸し出して現金収入も得ていたというから、いわば元祖レンタル業。牛を扱うレンタル業に携わる人々は「馬喰(ばくろう)」と呼ばれたという。
数少ない娯楽として闘牛が始まるも、レンタルに出す貴重な牛だけに、ケガをしないよう最後まで勝負をつけないのが特徴。
国指定重要無形民俗文化財になっている越後の闘牛であるが、闘牛場は谷を見おろす高台にあって村の娯楽場といった雰囲気がいい。闘牛開催日以外は閑散としていて、中越地震や闘牛の歴史を紹介する屋外展示のメモリアルギャラリーをゆっくり見ることができた。
さてお目当ての池であるが、闘牛場下にある大駐車場のかたわらにたたずむ。
「あぶない」の看板とともに黄色い「ため池!注意」の看板が立つ。岸の一部に遮水シートが見られる。
この池は、棚田群より標高の高い場所に設けられ、雪解け水や湧水を貯めておくためのもの。棚田の最上段を「棚池」にしてこの役割を担わせることが多い山古志では、棚池ではない専用の貯水池に対して独自のニュアンスで「ため池」と呼ぶ。
山古志の「ため池」は探し出すのが難しく、駐車場横で簡単に会える池なのでありがたい。

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駐車場。


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山古志闘牛場。
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メモリアルギャラリー
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マークした場所は大駐車場。