溜め池界の第三のスーパースター現る?
300m近い長さの堰体は直線ではなく、やわらかくS字を描く。なだらかな地形なのでその広大さのわりに貯水量は少なそうだ。
梨本池と肩を並べるように寄り添い、堰体脇の導水トンネルで通水していると思われるが、どういった運用なのだろう。どちらかが満水になったとき、洪水吐を通じて水を捨てるかわりに、もう一方に水を流して無駄なく水を貯めるような感じ?
アプローチ路は離合困難な未舗装路。
ウィキペディアによると、なんと平安時代末期の築造というからとても歴史ある溜め池だ。しかも築造したのは重源で、かつては堰堤に重源像もあったという。今はどうなったのだろう。
重源は日本史の教科書に出ていた顔がインパクトがあったことぐらいしか覚えていなかったが、東大寺大仏殿を復興させた人でもある。東大寺大仏の創建者といえば、ため池界の二大巨頭のひとり、行基さん。
これまで行基さん、空海さんを二大スターと思っていたが、あるいは重源さんを加えて「ため池界の三大スーパースター」になるかもしれない。
それから溜め池は水抜きしたときに遺跡や土器が出てくることもあるから、そういった視点をもつと池がよりおもしろくなりますよ、と当ブログのコメント欄に投稿してくれた方がいたが、この池の底からは大量の須恵器も出土したという。
谷山池は貴重な歴史遺跡の保管庫にもなっていた。