松ヶ浦上池、松ヶ浦奥池。
五色台の山腹斜面に穿たれた三段のかさね池。いちばん上が松ヶ浦奥池、次に松ヶ浦上池。この二つは訪れた際、ちょうど改修工事の最中で水が抜かれていた。
昔は工事や水抜きに出会うと運の悪さを嘆いたものであるが、さいきんは水抜きならふだんは分からない池底の地形を見渡しつつ、ここに池を造ろうと最初に言いだした人の気持ちやなんかを妄想したり、工事であればどんな工法でどんな道具を使って作業をしているのかといった、めったにお目にかかれない現場感に身を浸したりといった具合で、かえってテンションが上がるのだった。
もっともブラックバス釣りの穴場がまたひとつ消えたということでもある。フナやコイは無事、下の池に避難できただろうか。
松ヶ浦池の堤は春になると菜の花に埋まり、門兵のように立つ桜の開花が地元の人たちのささやかな楽しみになっているそうだ。