清水観音。
滝打ちで凍死した藩士もいる霊場には、鯉料理老舗がならぶ。
名水百選にもなっている清水の滝は、江戸時代に藩主の病気快癒を祈念して滝打ちをして凍死した忠臣の碑がひっそりと立っている。
江戸時代に再興された霊場だが、山あいの参道には風格のある鯉料理店が所狭しと立ち並んでいる。日本一の鯉料理銀座とでもいうべきか。鯉料理に目がないだけに行かずにはおれなかった。
鯉料理店の中でも中でも清水屋はもっとも古い老舗。とはいってもどの店も風格がある。滝見屋の前に「専用放流場」という小さな池があった。池の上には鉄網のふたがのせられている。
滝の方へと上がって行くと、雨だったせいか参道のあちこちでサワガニがかさこそと音を立てて道わきへと隠れた。
そういえばサワガニを食用にするときは、高温の油で瞬殺して揚げないと恨みをもらうと小さいころに聞いたことを思い出した。いつ、誰から聞いた話だったか思い出せないが、子どものころ佐賀にも住んでいたことがある。
参道をかさこそ動くサワガニに、どこかこの世のものでないものを感じるのは、そんな思い出のせいだろうか。
参道下に町営無料駐車場と公衆トイレあり。
マークした場所は町営無料駐車場。