水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

荒神塚池(京都府木津川)

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容姿の醜さを恥じた姫が、この池で。

古事記、日本書紀に伝説が残る。いずれも、丹波地方の王女が都に召されたものの、容姿の醜さゆえに送還されたことを恥じ、この池のほとりで自死したという内容。
日本書紀をひもとくと、紀元前15年に丹波の五人姉妹を後宮に入れたものの一人を帰したという記述があり、これのことだろうか。
池は現在、鉄道、高速道、一般主要道が入り交じる交通の要所に立地するが、盛大に送り出してくれた故郷に恥を持ち帰りたくないと思った姫が、帰路、この池を見て自死を決意したということは、飛鳥・奈良時代にはすでに都から地方各地へと分節する交通拠点だったのかもしれない。
そういえば高校生のとき、仲のよかった大原くんの母堂が、
「昔のブスは小さく生きてた」
と言っていたのを思いだした。大原くんの母親がどういう文脈でそれを言ったのかは覚えていない。ハードなお母さんだった。大原くんもまた硬質な男だった。
釣り禁止。

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