大崎上島で最大の池は、人工の海跡湖?
広島県の竹原港から30分ほどの船旅で渡れる大崎上島。この島にはかつての塩田の跡地が池となって残されており、島西部の大串海岸近くのこの池もそのひとつであろうか。
周囲2kmクラスと、島の北部に二つ並ぶ巨大な塩田跡の池と並び、この島では最大クラスの池である。隣には大崎上島メガソーラー発電所があり、瀬戸内の明るい太陽に向かって何千ものパネルが整列していた。かつては塩田、今は電田(でんでん)といったところか。
池の水源をたどっていくと、1.5kmほどで名前の分からない立派な貯水池に行き着く。かつては島の水道水源ではないかと思わせる造りだが、現在はどうだろう。
島の池は詳細が分からないものが多くて好奇心が刺激される。池の近くに「史跡」と記された看板を見つけた。そこには、二度にわたって堤が決壊したとか、三度目にやっと「潮留」に成功したという苦労の歴史が記されている。どうも干拓をするために海に築堤して内側の水を抜いたという話のようだ。看板のあるあたりは、かつては島だったという。となると、この大きな池は何らかの目的のためにあえて残された人工の海跡湖ということになる。天保期、江戸時代の話である。
近くの大串海水浴場ではシーカヤックも楽しめるようだ。
潮留の歴史が記された案内板。かつての小島の痕跡をわずかに残す。
池の北側にあるアシ原が広がるもうひとつの池。
左は海。右が上記の池。海面の方が高く見える。となると、この道路のあるところが堤か? このどこかに堤決壊を封じるため法華経を刻んだ石が眠っているという。
池の横にあるメガソーラー。
南にクルマを走らせ恋地トンネルを抜けて進むと明石港に出る。そこから渡船で大崎下島に渡ることもできる。
大崎上島と本土側の竹原港を結ぶ渡船。
水辺遍路謹製マップ。