水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

本庄貯水池(広島県呉)

【本庄水源地堰堤】
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「重要文化財」の石積みダムが堰く、「ダム湖100選」の貯水池。

初回訪問は下調べが甘すぎた。ダム湖100選、かつ水道施設として全国初の重要文化財ということもあり、とりあえず行ってみれば駐車場や資料館なんかがあるだろうとタカをくくっていたら、貯水池の周囲は厳重なフェンスで閉ざされていて唖然。湖周の道は生活道で交通量もそこそこあり、ちょっとだけクルマを停めることもままならず。
大正7年に築造された花崗岩の石積みの堰体は重要文化財。
桜と緑が美しい女性的なやわらかさをもつ貯水池はダム湖100選。
そんなダブルタイトルホルダーを目前にしながら、フェンスのすきまからわずかに湖面をちら見するのがやっとだった。西岸側のレイクパーク本庄の方にまわれば、湖面を見わたすこともできるようだが、そのときは思いつかなかった。
桜の開花期は堰体も一般開放されているというので、三年たった桜の季節に再アタック。時間も下調べし開門の午前九時前に到着。堰体下の広場が臨時駐車場となる。
混雑を予想していたが、行ってみれば誰もいなくて少し拍子抜け。でも、おかげで何の気兼ねもなく桜に包まれたダム湖を闊歩することができた。


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本庄ダム。水道設備としては初認定となった重要文化財。

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堰体と向き合うように水神様の小島。


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アールを描く石積み堰体がしっかり水を堰いている感じがたまらない。

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レイク・パーク本庄は、浄水場跡地。

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レイクパーク本庄は湖畔の高台を園地として造成したエリア。

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洪水吐か副堤か。

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右岸側、レイクサイド本庄のわきにある洪水吐は、石造りで副ダムの風格さえ漂う。主ダムと違って道路の車窓からも見えるので、一見、これを主ダムと勘違いしてしまいそうだ。
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洪水吐からの導水路。

ダム湖右岸側に寄り添うように水路がのびる。上流をたどると呉地川を経て呉地ダムへ。下流へ下っていくと二河川となって呉市街を貫流し海へと流れる。
ダム横では高低差に合わせるようにカスケード流路となっている。
形状といい不思議な構造の貯水池だ。

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右岸側の奥にある洪水吐からの水路は両岸を切り立てながら、貯水池に沿って流下する。
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基本的には閉鎖性が強い。

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平常時は立入禁止措置が厳しい。釣りも禁止。
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堰堤下部にあるこの石積みトンネル。ネームプレートには右から左に読ませる昔の表記で「本庄貯水池」。
一方、重要文化財の登録名は「本庄水源地堰堤」。「水源池」ではなく「水源地」となっています。
細かいところですが「地」となっているものを勝手に「池」と書き換えるわけにもいかないので、このプレートを見て、ほっとしました。ページタイトルも「本庄貯水池」としました。
そうそう、このトンネルはダムの底樋門。水源池としては現役の本庄ダムですが、この樋門はさすがにミュージアムモードかな?
一方、貯水池に浮かぶ水神様の小島の横には、もうひとつ浮いているものが。これはフロート型の取水設備に見えます。こちらが現役でしょう。

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マークした場所はレイクパーク本庄の駐車場。