水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

袴形池(青森県つがる)

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袴形(はかまがた)という池名を見て地図を開けば、なるほど、袴の形だよなあと思うのは、奈良県の蛙股池をはじめ、名が池の形を成すケースとして全国各地で見られるからだろう。
しかし話はそう単純ではなかった。
その昔、池のほとりに平将門の館があり、側女が袴をこの池で洗っていた際に誤って落水し命を落としたという伝説があり、それによって「袴潟(はかまがた)」と呼ばれるようになる。それが溜め池へのアップグレードを経て袴形池になったという話である。
現在は溜め池としてコンクリート堰堤や取水設備も持つ池であるが、もともとは天然の「潟」だったのだろう。そんな池は確かに周囲に多く見られる。
ボートスロープ状の駐車スペースもあり、ローカルなバス釣り大会も実施されるような池だったが、2013年に釣り禁止看板が立てられた。
しかしローカルバサー連が清掃活動をはじめとする地道な活動を行ない、釣りをすること自体は必ずしも否定しないという看板設置者(土地改良区と役場)の見解を引き出すというウルトラCをやってのけた。いろいろ考えさせられる事例である。
2021年に再訪したところ、堰堤側に釣り禁止看板は見あたらなかった。湖面が結氷する厳寒期は、ワカサギ釣りがさかんとのことで、釣り人たちの努力が身を結んだようで、うれしい。
池は二車線道路沿いでアクセス性は抜群。北400mに売店とトイレのある、ゆとりの駐車場もできて、ますます魅力的な池となった。

ameblo.jp


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垂直護岸と取水設備(2021年撮影)


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微妙なニュアンスの看板(2016年撮影)


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ボートスロープが付きの駐車場(2016年撮影)
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トイレ、売店のある駐車場(池の北400m)


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マークした場所は、ゆとりの駐車場。売店、トイレあり。