水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

川原ダム(宮崎県木城)

かわばるだむ。日向新しき村。
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ダム湖もよいが堰体下流側の賽の河原も美しく印象に残りました。
あとから知ったのですが、ダム湖には、明治から昭和にかけての文豪・武者小路実篤が階級闘争のない理想郷として旗揚げした「新しき村」跡地がダム湖畔にあります。敷地の一部は湖底に眠っているとのこと。
武者小路実篤といえば、高校生のときに『友情』を読んで、むはあっとなった記憶があります。

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友情 (岩波文庫)

友情 (岩波文庫)

「新しき村」は、大正7年(1918年)に、文豪・武者小路実篤とその同志によって、 「お互いが人間らしく生き、むつみ合い、そしてお互いの個性を尊重し、他人を傷つけることなく、しかも天命を全うすることができる」理想郷を目指し、戦国時代の山城「石城」跡に開村されました。武者小路実篤はこの地に6年間暮らし、農業にいそしみながら文筆活動を行っています。

 最盛期には50人を超える住民が暮らしていましたが、昭和13年のダム建設により水田が水没することとなり、埼玉県毛呂山町に新設された「新しき村」に大半の住民が移住しました。現在は2家族3人が暮らし、武者小路実篤の理念を受け継いで生活しています。

 村内には、当時武者小路実篤が暮らしていた旧宅を模した「武者小路実篤記念館」があり、当時の出版物や武者小路実篤にまつわる書類・絵画等が展示されています。
(宮崎県木城町ホームページより)