水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

熊野の清水(千葉県長南)

【ゆやのしみず / 熊野の清水公園】

歴史ある湯治場の名残りが名前に。弘法大師由来の名水百選

名水百選にも選ばれた湧水による池があり、周辺は軽く公園化されている。
室町時代に鶴岡八幡宮直轄の湯治場があり、「湯谷」(ゆや)と呼ばれたのが名前の由来。今も茶屋があり、オートバイツーリングやサイクリングでの小粋な休憩スポットとしてぴったり。
以下、現地の案内板より。

この清水は「弘法の霊泉」ともいわれ、昔から霊験あらたかな健康の泉として人々に親しまれてきた由緒ある湧き水である。
古い文献によると、弘法大師(七七四年ー八二五年)が布教のため諸国を行脚された折、たまたま立ち寄った当地は、水不足で農民が非常な苦労をしているのをご覧になって、法力によって清水を湧き出させたという。
これによって、土地の人たちは飲用に、農耕用に大いにその恩恵に浴したのであるが室町時代になってから約百年間、鶴岡八幡宮の社領であった当地は、この清水を利用して八幡宮直営の湯治場として栄えたことが「鶴岡事書日記」に記されている。そのため、この集落は「湯谷(ゆや)」と呼ばれていたという。
なお、この湧き水はこんこんとあふれ、どんなひでりにも涸れることがなかったという。
また、当時の住民は大師の遺徳をたたえて、その坐像をこの上の竜動寺に祀ってある。
長南町




 

熊野の清水公園





 

駐車場と案内板




 

Googleマップ

マークした場所は駐車場。