水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

富永ダム(愛知県豊田)

富永調整池。
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世界でも珍しい三段がまえの揚水発電の中継ぎ池。

中部電力が管理する揚水発電用のダム。堰体上を徒歩で歩けるが、ダム湖はフェンスで囲まれ立ち入りできず、美しい池だが観光的な要素はない。
揚水発電といえば、上池と下池の二つの池のあいだを地下トンネルの導水路で通水させて高低差を利用して発電するものだが、この富永調整池は、上池でも下池でもない。(揚水発電についてくわしくは松姫湖の項を参照)

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地図を見ると、奥矢作湖、富永調整池、黒田湖がオリオン座の三つの連星のように並んでいる。富永調整池は、上池である黒田湖と下池である奥矢作湖をつなぐ中継ぎ池なのである。
本来はバスっと下池と上池を地下トンネルでつなぎたいところだったが、工事を妨げる断層があったため、この断層を避けるために中継ぎの池がつくられた。日本の土木技術をもってすれば断層ぐらい、と思いそうだが、トンネル工事における断層の恐ろしさは、もう半端ではない。戦後の難工事の代表格ともいえる黒部ダム建設用のトンネル工事を題材にした映画『黒部の太陽』に克明に描かれている。

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マークした場所は黒田ダムの駐車場。富永ダムは北西に見える池。


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