【ひのがわだむ】
太公望が集まる平野部のダム湖。
鈴鹿山脈と琵琶湖にはさまれた歴史の薫る平野に日野川ダムはある。
湖名はないが、ダムというよりも少し大きめの野池といった風情で、遊漁料が必要ながら釣りが公認されていることと、水辺に親しみやすい穏やかな湖岸形状から、釣り人に人気。
駐車場・トイレ近くに階段状護岸があり、へらぶな釣りのための好環境が整っており、釣り大会も開催される。数が釣れるわけでなく、最大でも40ぐらいと釣果では控えめで入漁料も必要なのに人気があるのは、どことなく穏やかな気持ちにさせてくれる池の表情ゆえか。
アユの養殖も行なっているというが、ダム湖でアユの養殖というのは、あまり耳にしたことがない。外来魚駆除が完了していないと養殖も難しそうに思ったが、2019年の再訪ではバサーの姿も見られた。ダムから上流域はアユの漁場(釣り場)にもなっている。
一部、釣り禁止区域あり。ボート禁止。
コンバインダムもどき「鞍部ダム」
異なる構造の二つ以上のダムを組み合わせて一つの貯水池を堰くコンバインダム(複合ダム)といえば、重力式コンクリートダムとロックフィルダムの組み合わせが多いが、日野川ダムはシブいことにロックフィルとアースダムの複合ダム。と思いきや、異なる型式の堰体がくっついていないとコンバインダムとは呼べないらしい。
アースダムと重力式コンクリートのコンバインとなれば超がつく激レアダムだが、残念ながら堰体の場所が離れているものは「鞍部ダム」といい、日野川ダムはこれにあたる。本体は中央コア型グラベルフィルダム・・いってみれば河床の石を使ったロックフィルダム。
右岸部に堤長388mのアースダムを配する複合型のダムである。洪水吐にあたる水門は、一見、重力式コンクリートダムか、と思わせる。
本来の目的であった洪水調節機能に利水機能を付加させ、段階的にダムを完成させていった。
ダムカード配布対象ダム。
池の表情
湖畔は、歴史舞台の中野城跡。
駐車場とアクセス
国道から少し離れているだけだが、アクセスルートが少し分かりにくい。
Googleマップ
マークした場所が駐車場