水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

三島池(滋賀県米原)

【みしまいけ / 比夜叉池、グリーンパーク山東、三島神社】

朝日を受ける伊吹山を水面に映しだす三島池(2023年11月撮影)

水神が棲まう伊吹山の伏流水をたたえる日本遺産のパワースポット池

百名山・伊吹山が湖面に映える。この池の水を満たしているのは伊吹山からもたらされる伏流水。伊吹山は水神の化身の大蛇が豊かな水をもたらすとして奈良時代より信仰の歴史がある。
湖畔に三島神社があり、鳥居下からつづく石段が池の中へと消えているのは神様が上り降りするための階段? 中の島にそびえる大灯籠もデカい、ド迫力。
通常では北国でしか繁殖しないマガモが自然繁殖をしているのも、神域として古くから安全だったからだろうか。
全国ため池100選滋賀のため池50選マガモの自然繁殖地として県の天然記念物に選定。

三島池の形態・歴史・景観

農業用ため池だけど、水源は伊吹山の伏流水

全国のため池百選にも認定される立派な溜め池なのに、明瞭な流入河川はない。というのも、この池の水源は「水の神」として崇められた伊吹山の伏流水。
以下、現地の案内板の解説。

古来、伊吹山には水の神が棲まうとされ、崇敬されてきました。ヤマトタケルノミコトを撃退した伊吹山の神を大蛇である水の神として祀り、奈良時代以降にはこの神の力を得るために修験者が山中で滝行を行い、各尾根には広大な寺院が造営された歴史があります。伊吹山から流れ出る水は、今も脈々と人々の生活を支えており、水の大切さを知る伊吹山西麓の人々は、伊吹山を水信仰の対象としているのです。


冬鳥のマガモが自然繁殖する謎の池

マガモの自然繁殖池としては南限であり生物学的にも重要。その発端は地元の中学生が繁殖を発見したこと。通常、マガモは北国でしか繁殖しない。
そんなこともあって県の天然記念物に指定。


bunbun.hatenablog.com

水神様の使う階段?

神殿から鳥居をくぐってまっすぐ池に降りる階段がある。その直線上には大灯籠が。
この階段は、やっぱり水神様用?



2015年の三島池の景観




鯉のハタキ

大鯉も産卵行動である「ハタキ」を行っていた。



 

駐車場と案内板(水利と生き物発見ルートマップ)




 

Googleマップ

マークした場所が駐車場。