水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

通谷池(愛媛県砥部)

【とおりたにいけ / 通谷調整池】
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家族で遊べる池。2021年春、ジップラインがお目見え。

えひめこどもの城、愛媛県立とべ動物園、愛媛県総合運動公園が池の周囲を取り囲む丘陵地に展開。愛媛の県庁所在地である松山市街地お膝もとの都市公園として地元ではお馴染みのスポットで、噴水、貸しボート、展望レストランに加え2021年には池の頭上を横断するジップラインというアトラクションが開業・・ますますレジャーレイクとしての魅力に磨きがかかる通谷池であるが、じつは本名を「通谷調整池」といってお堅い仕事を担っている。

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20km離れた面河ダムからの水を受ける

調整池というと防災調整池を思い浮かべるかもしれないが、ここでいう調整池は農業用。
山脈を貫いて20km離れた面河ダムと道前道後の農地を結ぶ長大な地下導水管を含む広域用水路ネットワークにおける中継ぎの池として、潤滑な用水供給運用を支えている。
また池の水は砥部川に流れ出ているように見えるが、取水された用水は再びパイプラインへと送られる。
山を隔てた大谷池(ため池百選)ともパイプラインで連携運用されていると知って驚いた。水に関する苦労は江戸時代の水争いにまでさかのぼる。

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ため池100選にも選定されたハイダム

通谷池のアースダム堰体は堤高25.6m。
ハイダムスペックを満たしているが、なぜかネットで調べてもダムとして認知されている気配がない・・。通谷池がオオモノすぎて、今さら「え、ダムだったんですかー!」とは誰もいえないまま何十年もたってしまった感じ? 確かに灯台もと暗しといおうか、メジャーゆえに疑問にさえ思わなかった。
貯水池は丘陵地を縫うようにワンドの枝をのばし、変化に富んだ表情を見せ、全国ため池百選にも選定されている。

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2015年撮影

淡水クラゲ生息地。

池で開催される釣り大会では大きなブラックバスも上がる。
また、淡水クラゲが生息しており、研究者が調査をしたことも。
淡水クラゲ(マミズクラゲ)については、中学生のときに日参していた平田池(香川県高松)で目にしたことがある。ほか、ひょうたん湖(岐阜県中津川)や滝ノ谷池(愛知県豊橋)でも生息が確認されているが、大発生した翌年にはまったく現れなかったりと、池生物としてはけっこうレアらしい。

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案内板・駐車場

桜の名所でもある。駐車場有料。2021年撮影。

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