かたのかもいけ。鴨池観察館。
郷土の伝統猟と豊かな環境を今に伝える池。
海岸に近い湿地に囲まれた池。野鳥の宝庫であることから、江戸時代から坂網猟(さかあみりょう)という独特の道具を使ったカモ猟が行われている。猟期や捕獲数は厳しく制限され、鴨の生息環境を整えるなど持続可能な里山のいとなみが今に継承されている。池の周囲の小高い丘の斜面には猟のための足場である「坂場(さかば)」(構場(かまえば))が組まれている。
池を見わたせる場所に鴨池観察館がある。施設利用は有料で、入場しなければ池を見ることはできないが、雨の日でもガラス張りの観察舎から快適に野鳥を観察することができる。
夏に訪れたとき、国の天然記念物のマガン、ヒシクイはすでに去ってしまったとのことだったが、ここ数日、サンコウチョウというめずらしい鳥が1日、1、2回、観察館の前を通るという。「黒いリボンをつけた石が飛んでいくような感じ」というレンジャーの方の表現が素敵だった。
魚類は鯉が生息している。70cm級の大型の鯉もおり、その肉はマグロの切り身のように赤いという。おそらくは水中の酸素濃度が低く、血中のヘモグロビンが極度に発達したのであろう。
池には昔からいろいろな言い伝えが残っており、池の真ん中に立つ柳の木の下に夜になると女が立っている。その女の脇の下には鱗が三枚あるそうだ。
観察館の無料駐車場がある。
ため池100選。ラムサール登録湿地。
鴨池の東側の山に登るといくつもの坂場(構場)が見られた。
坂場(構場)から見た鴨池。
池の真ん中に生えているのは柳ではなくハンノキ。
駐車場
資料館と案内板
マークした場所が駐車場