水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

舌喰池(長野県上田)

したくいいけ。

塩田平ため池群に行くなら、まず訪れたい。

「舌喰い」とはまた恐ろしい名前である。その名に、人柱になった美しい娘の悲話が込められている。抽選で人柱に選ばれた娘さんは、けっきょく舌を噛み切って池に身を投げてしまったので、生きたまま堤に埋める人柱のコンセプトからすれば失敗に終わっているところも悲しい。
池は信濃川が貫く上田盆地に位置し、一帯は「塩田平(しおだだいら)」と呼ばれ、日本有数の河岸段丘。塩田平には、舌喰池を含む大小100のため池群があり、それらをまとめ「ため池100選」のひとつとして登録されている。
なかでも舌喰池は池畔に駐車場とトイレのある資料館(とっと交流館)が設けられているので、塩田平ため池群の入門編としておすすめ。



塩田平は池の後ろにひかえる山の形もいい。


池の横にある学校。


夏の舌喰池(2013年撮影)


遊歩道


とっと交流館と駐車場。


※マークした場所が駐車場


<その他の写真>
とっと交流館の中にある、塩田平ため池群についての展示。


<舌喰池に伝わる伝承>(ウィキペディアより)
舌喰池の名前の由来は次の通りである。この池が造られた当時、水漏れにより十分に水をためることができなかったため池を改修することが決まった。その際に、池の土手に誰かを人柱として捧げなければ水がたまらないとする風説が広まった。くじにより村外れの一人暮らしの美しい娘が人柱に選ばれたが、この娘は人柱に選ばれたことを苦にし、人柱になる前日に舌を噛み切り池に身を投げて自ら命を絶った。それ以降、この池は「舌喰池」と呼ばれるようになった。