水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

沢山池(神奈川県横須賀)

沢山池の里山、長坂五丁目市民緑地。

市民緑地として復活した横須賀の元・釣り池。

かつて横須賀市で二番目の大きさをもつ美しく立派な池で、「三沢湖」というへらぶな管理釣り場として利用されていた時期もあった。当時を知る地元の方からいただいたコメントによると、近くにある虫山の池や山田池でも、へらぶなが釣れたというから、三浦半島でもっとも釣り場として熱いエリアだったのだろう。
その後、テーマパーク造成の計画でもあったのか池と周辺の土地を西武鉄道が買い取って所有していたが、現在は横須賀市が西武鉄道から借り受けるかたちで、市民緑地として開放している。
なお、現在は釣りはできない。

西武鉄道といって思い浮かぶのは、沿線にある埼玉県飯能の宮沢湖である。そこもまた老舗のへらぶな管理釣り場だったが、2016年春に突然、池が閉鎖され、その後、世界で二番目のムーミンテーマパークの建設が発表された。

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ひさしぶりに水をたたえた沢山池。

地震で堰堤が壊れた2000年以降、水を抜いた状態にしているとのことで立入禁止がつづいていたが、2015年10月に三年ぶりに再訪してみると、緑地の案内板と未舗装駐車場、簡易トイレが設けられていた。しかしあいかわらず池に水がなく陸生植物に覆われた状態であった。

2015年に「美しい水辺の復活を期待したい」と沢山池の記事をしめくくったが、2017年春の再訪はその実現をみるうれしいものとなった。
水面の規模こそ往年の三分の一ほどだが、それでも水をたたえた姿を見ることができたのはうれしい。

アクセス路はかなり狭いところもあり不安になりそうだが、100mも進めば駐車できる堰体下広場に出るので勇気をもって前進。堰体から先は池の左岸側に遊歩道があるが、自転車を含め車両は入れない。
釣りができないようにするためだろうか、木製の柵が岸寄りの水面にめぐらされている。


堰体下の駐車場と簡易トイレ。石碑に「澤山池」の文字が見える。


堰堤の上の木製ベンチ。


同名の水辺として、長野県上田に「さやまいけ」という読みの「沢山池」がある。上田のため池では異色ともいえるダムタイプの貯水池で「沢山湖」の愛称ももつ。

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マークした場所は沢山池の駐車場。

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