水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

シラヌタの池(静岡県東伊豆)

【しらぬたのいけ / 不知の池、不知沼】

伊豆半島では希少な天然の山池

天城連山の中腹、標高650mの原生林の中にある天然湖沼で、モリアオガエル自生地として静岡県の天然記念物に指定されている。
舗装林道に池への入口があり、そこからは徒歩で原生林を下る。途中にはあずまやや吊り橋があったりの軽ハイキングで往復40分ほど。
近くにはシラヌタの大杉やオバケ杉といった巨木も。




 

池ナビ


成因

池の成因は火口湖という説もあったらしいが現在は土砂堰き止め湖ということで決着しているようだ。同じ天城山系にある八丁池も火口湖説が否定され断層湖とされている。

吐き出し

池の吐き出しと思われる場所は南側にあるが平時に流出する沢は見られない。大雨のときはオーバーフローするかっこうだろうか。倒木が堰のような感じになっていた。
吐き出しの先は川久保川に落ちる急崖となる。



流れ込み

明瞭な流入河川はない。減水していたおかげで水源らしき湧水口を目視確認できた。意外なことに吐き出しの近く。右下の写真が湧水口。


山側の汀

川と反対側の山側は土砂堆積による浅瀬と汀が広がる。一角には昭和時代の石碑(天然記念物指定と池名が刻まれている)があった。


水深

2022年12月の再訪時は2010年に訪れたときの印象よりかなり減水しているように思った。池底には落ち葉が敷きつめられたような感じで全体を見渡せた。このまま堆砂が進めば遠からぬうちに池は消失してしまいそうだ。



 

シラヌタの池へのアクセス

林道の池入口と駐車スペース

駐車スペースは2台ほど。入口からの往路はほぼ下りの遊歩道。



木の橋

左は2022年、右は2010年。二つの橋のうち一つは崩壊していたが、沢が土砂で埋まっていて通行に問題なし。

川久保川とあずまや

吊り橋の手前にあずまやがある。下を川久保川が流れる。

吊り橋(2022年現在、通行不可)

川久保川にかかる吊り橋は2022年12月現在、崩落で通行できなかったので、上流側の沢を渡渉した。増水していなければ危険はなさそうだが、ストックはあった方が無難。
対岸の土手を登った向こう側がシラヌタの池。

左は崩落する以前の吊り橋(2010年)。右は2022年12月撮影。





 

案内板

2022年


2010年

こちらの看板は2022年の再訪時には見あたらなかった。(調査日:2010/10/7)



 

シラヌタの池近くの巨樹

シラヌタの大杉

シラヌタの池の入口からさらに林道を奥に進むと、ヘアピンカーブの一角に大杉の入口がある。そこから徒歩で10分ほど。


オバケ杉

シラヌタの大杉入口から、さらに林道を奥へと進む。

ミステリースポットの顔も?

ミステリーファンの間ではよく知られた心霊スポットで、事実確認はできなかったが、彼らの間では旧日本兵による16名の捕虜虐殺事件の現場と信じられている。



 

天城連山の池さんぽマップ


 

Googleマップ

マークした場所はアプローチ路入口。