水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

貝沼(秋田県湯沢)

【かいぬま。貝沼公園】

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貝沼は釣りキチ三平の「カルデラの青鮒」の舞台。

 

青鮒と貝沼。

30万年前の火山活動後の地すべりによって生まれた天然湖である皆瀬湖沼群のひとつ。現地の案内板には「ゆざわジオパークの湖沼群」という表記もあった。また、『釣りキチ三平』で「カルデラの青鮒」の舞台となったのもここ貝沼。カルデラというのは間違いだと思うが、「火山性堰き止め湖の青鮒」では今ひとつロマンがない。
劇中では貸ボート店が重要な役割を担っているが、釣りはできるものの貸ボートはない。
カラス貝が多いことが名称の由来。初めて訪れた2013年5月には雪に阻まれ沼までたどり着けなかった。2014年秋の再訪問でようやく見ることができた。2019年は全貌と地形を見るため空撮を行なった。北側が最深部で10mほどの深さがあるらしい。

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細沼の方に深く入り込んだワンド部。


 

空から見た貝沼。

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細沼と貝沼(右)。奥に見える山は兜山。貝沼の手前側(写真下端)にコンクリート堰体のようなものも見える。


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奥に階段のついた堰体のような構造が見てとれる。天然湖を改造し溜め池として利用されているのだろうか。


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南側には水底にかなり大きな石がごろごろしている。兜山の崩落面(崖の露頭)から転がり落ちてきたものだろうか。岩棚がのびている方向が一致する。


江戸時代の紀行家・菅江真澄が描いた貝沼と細沼。

skyphoto.hateblo.jp



 

釣り公園を謳う貝沼。

貝沼公園という看板があるが、遊具などの設備あっての公園ではなく、ワイルドな野釣りを楽しめる「釣り公園」を謳う。釣りキチ三平のイラストとともに、「ゆっくり楽しい一日をお過ごしください」というウェルカム感あふれる看板がうれしい。この看板は2014年に訪れた際にはなかったので、釣り公園化という新しい時代の流れとしてうれしいことだ。
湖周は全般的に陸っぱりしやすい岸形状。対象魚は青鮒ことヘラブナ、鯉、ワカサギ、ナマズ、ウグイ、小エビなど。
アクセスは国道から「貝沼公園」を案内する分岐路へ。600mほど舗装林道を進んだ先に貝沼の絶景が広がる。公衆トイレのある駐車スペースあり。


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貝沼(2019年6月撮影)


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2014年秋の貝沼。


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トイレ、案内板。


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貝沼周辺ノ図。


皆瀬の湖沼群。

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山を下ると稲庭うどんの産地、稲庭の集落がある。


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「湯沢市釣公園協議会」という組織が気になる。「湯沢市参加・協働のまちづくり補助金」なるものも。補助金をもとに池の開放を進め地域作りに生かす。新しい池の姿のヒントになりそうだ。


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マークした場所にトイレ。